直は、強くなった。
「七緒ちゃんも含めて、先生なんだから。最近、全然話してくれないから・・・・・・ちょっと気になってた。今日、お姉ちゃんのことを思い出して泣いた時に、先生ももしかしたら・・・・・・って思った。私の為に、七緒ちゃんを忘れるなんて嫌だから」
泣けるだろぉ。
直のばか。
俺は、最高の奥さんをもらった。
俺自身も気付いていないような、心の奥の気持ちを直はちゃんとわかってくれていた。
「ありがとう」
俺は、直の頭に顔を乗せたまま、星を見上げた。
こんな顔見せらんねぇからさ。
11月の肌寒い夜。
風が俺達を包み込んでいた。