「先生も、考えないようにしていること・・・・・・あるでしょ?」



ほら。

来た。



直には全部お見通し・・・・・・





「ん?」




手に持っていたミルクティーをベランダのテーブルに置く。




直の肩を抱き、深呼吸をした。





今日なら言える。



今日なら、素直に話せる。




そんな気がした。







「直には負けるよ」






考えなきゃいけないってわかっているのに、どうしても後回しにしていた。




考えても考えても俺にはどうすることもできないことはわかっていた。





でも、俺にとって、忘れることはできないこと。






「七緒ちゃんのこと・・・・・・でしょ?」