「直ちゃん、どうしたの?」



鏡を見つめたまま涙を流していた。



鏡越しに目があったのは、真由美さんだった。





真由美さんの優しい瞳に甘えたくなったけど、この件は真由美さんには関係ない。




私が次に向き合うのは、沙織だ。





大丈夫です、と言って、トイレを出た。




今日のランチ一緒に食べよう、と沙織にメールを送った。



指先がかすかに震えていた。






沙織はどう思うかな。


私のこと、嫌いになるかな?


ううん。

なるわけない。





だって、沙織は大事な友達だもん。




何を怖がっていたんだろう。



もっと友達を信じなきゃ。