翌日、緊張しながら会社に向かった。


いつもより少し早く到着。



大野さんは、みんなよりも早く出社していると知っていたから。






「大野さん、おはようございます。ちょっと話したいことがあるんですけど」





大野さんは、周りに誰もいないことを確認してから、隣の席の椅子に私を座らせた。





「どうしたの?俺のこと気になり出した?」




体を寄せて、ニヤニヤする大野さん。



やっぱり、先生の言う通り。


大野さんはずるい人だ。






「沙織のこと、どう思ってるんですか?」




「え?いきなり何?」




静かなオフィスに響く声。