「もしかして、私のことを想ってる子がいるとか?」
そりゃ、バレるか・・・・・・
「え・・・・・・そういうわけでもないんですけど。え~っと。まぁ、そうですね。そういう生徒にどうアドバイスしたらいいのかわからなくて」
あいまいに答えてみる。
にっこりと笑った水谷先生は、椅子に座りなおして、咳払いをした。
「実はね、私もよく相談されますよ。新垣先生が好きなんですってね。新垣先生は結婚してますか?とか、奥さんはどんな人ですか?とかね・・・・・・他の先生に対する片思いもありますけど、やっぱり新垣先生が多いかな」
知らなかった。
俺の知らない所でそんなことがあったなんて。
「知らなかったです。結婚したからと言って、生徒達からすれば何も変わらないんですかね」
「大きな壁にはなっていると思います。独身なら、可能性があるんじゃないかと思って突っ走ってしまうかもしれないけど、奥さんがいると知れば・・・・・・あきらめる方向に努力する。それでもあきらめられない子がここに来て相談するんです」
水谷先生は、穏やかな笑顔を浮かべながら、話した。