「あの・・・・・・」



生活指導室のドアが開いた。



俺と喜多先生は腰を上げ、振り向く。




「あれ?」



「来いって言うから来てやったよ」




そこにいたのは、数日前保健室の前で声をかけた生徒だった。




「え~っと・・・・・・畑中だったな?よく来てくれたな」



俺は、立ち上がり畑中を中に入れ、ドアを閉めた。




「畑中まで仲良くなっちゃうってさすが新垣先生だね。俺なんかいつも無視なのにな。畑中!」



喜多先生はそう言いながら、部屋から出て行った。






「授業中だけど・・・・・・どした?用は特にないってとこかな?」




「進学しないって言ったら、親に家から出ていけって言われた」





うつむいたままの畑中は、俺の向かい側のソファに腰掛けた。