「私、龍のことは依子に譲ったけど、たっくんのことは絶対に譲れない。初めて本気で好きになったのがたっくんってことだよね」
「そうだね、私もそう。先生のことは何があっても譲れないもん」
ゆかりは、こんな怖い話はもうやめようと言って、最後のドーナツを半分私にくれた。
同じ人を好きになる。
友情と恋。
ちょっとした友達じゃなく、一生にひとり出会えるかどうかの大親友だとしたら・・・・・・
悲劇だよね。
ゆかりの友達の美亜ちゃんや、美亜ちゃんの彼氏の隆介君みたいに、友達に恋人を取られちゃったりってこともあり得るんだ・・・・・・
そんな悲しいことが起こってしまうかもしれない。
良かった。
ゆかりと同じ人を好きにならないで。
本当に良かった。
先生もゆかりもどちらも、一生にただひとりの大切な人だから。
「直~!!また4人で温泉行きたいね」
「本当だね。先生もたっくんに会いたがってるよ」
一生こうしていたい。
そのうち、ゆかりとたっくんも結婚して、お互いに子供ができて・・・・・・
お互いの子供も仲良しになって、家族で遊んだりしたいなぁ。