「私と直は、ラッキーなことに好きな人がかぶったことはないけど、もしも・・・・・・同じ人を好きになったりしたら、どうなっていたんだろうね」
ゆかりが怖いことを言うからドーナツがのどにつまりそうになった。
一番怖い。
それ、本当に一番避けたいことだよ。
「もしさ、直がまだたっくんのことを好きだった時に、あの店に行ったとするでしょ?そうすると・・・・・・私、たっくんに惚れちゃっても直に本当のこと言えないよね。どうしただろうなぁ、私」
「ゆかりがもし、先生のこと好きになってたら・・・・・・どうしたかなぁ、私」
言い終えてから、顔を見合わせて笑った。
「ないない!!私が先生を??ありえな~い」
大笑いするゆかり。
「直は、気の迷いだったとしても、一度はたっくんと付き合ったんだから、可能性はあったと思うんだ」
もしも、私がたっくんに未練があったとしたら・・・・・・
ゆかりがたっくんに一目惚れしたと知ったら、絶対に譲ったと思う。
でも・・・・・・相手が先生だったらどうかな。
私、あきらめるなんてできなかったと思う。
やっぱり先生は特別だったから。