「バカだけど、相手が3年で良かったな、なんて考えてしまったんです。3年生だから、あと少しで卒業だ、とか」



「それ、わかる。仕方がないよ。岡崎先生も男なんだから。俺も、奥さんが生徒だった時、思ったよ。3年生だったらいいのにって。まだ2年生だったから長かった」





俺と岡崎先生は、天井を見つめたままだった。





「それは長かったでしょうね。いろいろ聞きたいことはありますが、聞いてしまうとまた意識してしまいそうで怖いです。俺の場合、新垣先生と違って、相手が彼女じゃないとだめだって確信は全くない。他の生徒に告白されても同じようにドキドキしていたかもしれません。ただ、やる気のない生徒だったのに、これから頑張りたいって言ってくれたことは嬉しかった」






チャイムが鳴った。




岡崎先生は、少し自分の気持ちが落ち着くまで様子を見てみますと言って、職員室に戻った。






俺は誰にも相談しなかった。




できなかった。



喜多先生がいれば、話していただろうか。


いや、きっと誰にも話せなかったと思う。




反対されても、止めることができない気持ちだった。




それに気づいたのは、実はかなり前だったっけ。