ゆっくりと歩きながら、何かを言い出そうとしている岡崎先生。




「陸上部で何かトラブルでもあった?」



「いえ・・・・・・違うんです。部活の問題じゃなくて」



「何だろうなぁ。生徒のこと?それとも、恋愛の悩み?」




冗談で言ったつもりだったのに、岡崎先生は体をビクっとさせて立ち止まった。




「まさか・・・・・・恋愛で悩んでるのか?」



岡崎先生は、目をそらした。



大きなため息をついた後、顔を両手で押さえた。




「俺、今まで恋愛経験とかなくて。全然モテなかったんです。今でも・・・・・・恋愛は苦手で」




運動神経も良くて、爽やかキャラの岡崎先生から意外なことを聞いた。





そういえば、陸上部の生徒が、岡崎先生は恋愛対象じゃないって話していたことがあったっけ。



俺には、よくわからなかったけど。