「いらっしゃいませ」
笑顔で迎えてくれたのは、あの頃と全く変わっていないモミジだった。
髪型も化粧も笑顔も・・・・・・
「あ、直さん・・・・・・!!」
「モミジ・・・・・・」
誰もお客さんがいなかった。
モミジは、店長の様子をうかがうようにキョロキョロした後に、レジから出て、私に駆け寄った。
「久しぶり!!元気だった?」
「はい!!会いたかったです。直さんますます綺麗になりましたね~!」
照れくさいような申し訳ないような気持ちで、私はモミジと目を合わせていられなくなり、並んでいるパンを眺めた。
「相変わらず美味しそうなパンばかりだね」
「はい!今日は、パン買いに来てくれたんですか?」