必死で、壁を作ってくれていたんだろうなって想像がつく。
かわいいな、先生。
頑張ってくれたんだ。
私の為に。
私達の為に。
「あのね、ゆかりが今日言ってたことなんだけど、たっくんのことを好きだった女の子って今どうしてるのかなって。今もたっくんを引きずっていたりするのかなって」
私は先生の肩に頭を乗せた。
涼しい風が吹いていた。
「そういうことを考えるんだな、女の子って」
「それでね、私も思ったんだ。モミジはどうしてるかなって」
「あ~、懐かしい。パン屋でバイトしてた後輩だよな。そういえば、あれからあのパン屋には行ってないな」