駅前のコーヒーショップに入り、俺達4人はコーヒーを飲んだ。
甘党の喜多先生だけはチョコワッフルなんて食べていたけど。
「しかし、尊敬するなぁ。新垣先生は。普通、信念があったとしても雰囲気に流されちゃうでしょ、男って」
山畑先生の言葉に何も言えない俺の代わりに答える喜多先生。
「新垣先生は特別だって。奥さんを愛してるだけではここまで強くはなれないよ。俺達とは何かが違うんだよ」
俺は、何言ってるんですかと喜多先生の肩を押した。
「俺なんか、バレなきゃ何してもいいって思って生きてるからさ。そこまで筋を通せる新垣先生は、本当にすごいなって思うよ」
山畑先生は、携帯の待受の子供の顔を眺めながらため息をついた。
「俺も新垣会に入れてよ」
「何ですか?新垣会って」
コーヒーを詰まらせた俺。
「愛妻家の会だろ?」
喜多先生までもがそんなことを言う。
「でも、山畑先生は無理だな。俺は、新垣先生と似たタイプだけど、お前は違う」
喜多先生にそう言われた山畑先生は、それもそうですねと笑った。