「ちはる!逃げてちゃダメだ。戦わなきゃ!」

「...」

「ちはる、考えてみな?
出会えたことが奇跡で。1年の先生ってことが奇跡で。1組の世界史担当ってことが奇跡で。この前、話せたことが奇跡で。1日に何回も会えることが奇跡で。ちはるにはすでにたくさんの奇跡が起こってる。ちゃんとその奇跡に気付いてた?」

確かにあたしにはたくさんの奇跡がおきてる...
優輝に言われて気付いた。

「この奇跡に感謝しなきゃ。」

うん。感謝する。

「でも、その奇跡と戦うこと何の関係があるの?」

「その奇跡、気付かれたってだけで全部を無駄にするのか?気付かれたってだけでちはるは先生のこと諦められるのか?」

「無理...。」