[碧伊side]
今日、ライブの後に琉美から電話があった。
ライブの日は滅多に連絡して来ない琉美。
『ねぇ、今日も打ち上げあるんでしょ?アタシも行っていい?』
なんなんだ?
いつもは、そんな事言うような女じゃない。
何かあったのか?
『今日、お店休んじゃったの。…ね?碧クン?聞いてる?』
『あ、ああ。分かった。いつもの店だから、近くまで来たら連絡しろよ?』
琉美はたまに、息抜きが必要とか言って休む。
ま、俺の考え過ぎか。
いつもの気まぐれだな。
それから、ライブが終わり、さっき琉美を連れて戻って来た。
さっきまで、俺が座ってた方に視線を向けると、あいつが、…引きつった笑顔をしてた。
―――――なんなんだよ。
なんで、そんな顔する?
って、何で俺が気にかけてんだ?
わけ分かんね―……。
『碧クン?どうかした?』
いつの間にか席に座る琉美が俺を見上げてた。
『いや‥。別に。』
『そ?じゃぁ、とりあえず…はい、お疲れ様。』
――――カチン
俺は、泡の消えたビールを飲み干した。