グラウンドで練習するサッカー部の声がやけに、大きく聞こえる。
静かな教室。
目を閉じれば、目蓋に太陽の残像が残る。
あー。
夏だ。
窓際だと、日焼けするじゃん。
ねぇ?!
『−−−……ってば!!聞いてる?』
はい?
ふと、目を向けるとクリクリした瞳を上目遣いにしてる私の親友がいた。
彼女は、高野 真麻(たかの まあさ)
この高校に入学してからの付き合いなんだけど、好みも見た目も正反対なのによく、気が合う。
彼女は、このクリクリした瞳に柔らかそうな明るい色の髪。
私は、黒目がちなややつり目に真っ黒なストレート。
服装も。
好きな食べ物も。
好きになる人も。
『だぁーかぁーらぁー!!お願いっ!綺乃しかいないのっ!』
ガシッ!
真麻は、私の肩を掴んでる。
うっ…
に、逃げらんない。
言い出したら、
絶対、絶対!
譲らないよね?真麻サン。
あ。
唯一の共通点。
頑固なトコ。
『あ・や・の・チャン?』
首まで傾げちゃったよ。
はぁーーーー。
『もぉ。分かったから。行くだけだよ?』
『きゃぁぁぁーーー!!!愛してるわ、綺乃!』
う、うわっ!
ガッタ--------ッン!!!!!!!!!!!!
安部 綺乃(あべ あやの)17歳。
人生初☆押し倒されました。
しかも、オンナだし。
頑張れ!私!!
……大丈夫なのか?ワタシ??