部屋に着くとずっと文句を言う涼風くんの言葉を無視してゆっくりと鍵を開けた。

電気はつけっぱなしだったから明るい。


部屋に入るとドキドキしすぎてうまく進めない。

密室に2人っきりなんだもん。

ドラマの世界なんだもん。


「てめ、いつまでシカトしてんだよ。」


そう言いながらわたしのアゴをクイッと上げた。

見えるのは怒った涼風くんの顔。

とても愛しい、綺麗な顔。



「そ、壮陛…。」


そう言ってわたしは目を閉じた。

もう顔が赤くなってるのくらい自分でわかってる。

初めて好きな人を名前で呼んだ。


その瞬間、唇がわたしの唇にぶつかってきた。

手はアゴから後頭部に変わってる。

この前のような、軽いキスじゃない。

パパやママがするようなキスじゃない。


すごく長くてそして舌が…。