当日は晴れだった。


行くときに何度も気を付けてと言う親…。

一泊なのに。


でも余裕を持って家を出て学校に着くともうたくさんの人が来てた。

男が多い学校だから男をかきわけながら鈴ちゃんと涼子ちゃんを探した。


「あっ菜穂ちーん♪おはよ~!!」

バスの中から涼子ちゃんが顔を出してきた。


「おはよ♪もう乗ってたの??」


「1番後ろ早く取らなきゃ!!早くおいで~♪」


そっか。

1番後ろの席ってたくさん座れるから人気だもんね。

わたしは荷物を持ってバスに乗り込んだ。

もう何人か座ってるけど1番後ろは手を振ってる涼子ちゃんと本を読んでる鈴ちゃんの姿だけだった。


「鈴ちゃんもおはよ~♪楽しみだね!!」


「おはよう。そうね、楽しみね。」


「鈴ったら相変わらずテンション低いんだからっ!!本なんて今日くらいやめなよ~!!」

涼子ちゃんはそう言いながら鈴ちゃんの背中をポンポンと叩いた。

でも鈴ちゃんは涼子ちゃんを睨む。

やっぱこわっ!!



そして全員揃ったと担任が言ったからわたしたちは山のホテルに向けて出発した。

全員揃った…。

涼風くんの姿を後ろから探したら前のほうの窓側に後頭部が見えた。

絶対探し出せるわたし。

すっごい好きだなぁってまた実感した。