涼風くんはまた鼻でフッと笑った。

その妖艶な微笑みにまた心がどきっとした。


「だってお前、俺ばっか見てるし。ついてくるし。犬みてぇだもん。どっち??」


そう言われると…言わなきゃいけないよね。


「違わない…。でも、告白して迷惑かけようとか思ってな…━━」


その時涼風くんがわたしの目の前に手を出した。

手のひらを上にして。


「ほら、お手。」


「な、なんで??」


そう言いながらもわたしはソッと涼風くんの人差し指と中指と薬指にわたしの人差し指と中指と薬指を置いた。

ちょっと触れる程度に。


「してるし。」


また涼風くんは笑ってきた。

そしてわたしの指を手のひらで包むとそのままわたし自体引っ張ってきた。

わたしは涼風くんの胸の中に…。

夢みたい。


「好きかはわかんねぇ。でも、お前といるの楽なんだ。付き合うとか俺よくわかんねぇし、優しくなんて出来ねぇ。それでもいいか??」


わたしを握ってない涼風くんの左手はわたしの背中を優しく包んでくれていた。


「わたし、誰とも付き合ったことない…。」


「だろうな。」


「それでもいいの??」


「うぜぇ…。」



わたしたちは晴れて恋人同士になれた。(たぶん)