わたしの胸はドキドキしていた。

涼風くんに連れられて来たことも、腕をつかまれたことも。

全てが初めてのことだし。

心拍数は最高潮に達してた。



「あのさ……━━」


ヘタン。

涼風くんが口を動かしたとき、わたしはあまりの緊張で腰を抜かしてヘタンと座り込んでしまった。


「ゴメン、腰が抜けちゃったみたい…。」


わたしは涼風くんの足を見つめながら言った。

涼風くんはプッと吹き出して笑い、しゃがみこんでわたしを見た。



「ほんっと変な奴だな、お前。それよりお前、俺のこと好きなわけ?」


「へっ!?」


さっきの涼子ちゃんのようにわたしは素っ頓狂な声をあげた。

あまりに突然で驚いて。

そしてバレてたことにも驚いて。