その時だった。

2人が同時に発した言葉。


「あ…。」


その2人の目線は明らかにわたしじゃなく、わたしの上だった。

振り返るとそこには涼風くんがいた。


わたしも驚いて目を見開いて見つめた。

きっとクラスの人のほとんどが見てたかもしれない。

たぶんうちのクラスで1,2を間違いなく争う目立つ2人だから、わたしたち。



「菜穂、ちょっと顔かせ。」


ぶっきらぼうにそう言うと座ってたわたしの二の腕を強引に掴んで授業中なのに廊下に連れ出された。

クラスのほとんどが見てた。



「す、涼風くん!?」

そう言うけど声は返ってこない。


そしていつもの屋上の窓まで来ると立ち止まってわたしの二の腕を離した。