「な~んでお前に言う必要があんだボケ。」


そう言ってまた目線をわたしからはずした。

初めて喋って、初めて名前覚えてくれて、そして菜穂って呼んでくれて…。

ぶっきらぼうな喋り方でもわたしだけに向けて話してくれる。

そしてわたしをさっきみたいに追い出したりしない。


わたしを、迷惑と思ってないのかな??

他の子にはいつも罵声浴びせてるし。


「涼風くん。」

「あ?」

「またここ、来ていい??」

「コレ、持って来るならな。」


そう言ってコーヒー牛乳をポンとそのへんに投げ捨てた。


「もう!!捨てなきゃだめだよ!!」


そう言って立ち上がり、わたしはそれを拾った。

嬉しくてしょうがない。

来ていいって言われたから。



「ありがと、涼風くん。」


「うぜーな。お前。」


こんな口悪くても…やっぱり好き。