「っ…━━。」


わたしは不覚にも泣き出してしまった。

それに気付いた涼風くんの動きは止まり、唇と唇の間はわずか3センチ程。

止まってからまた離れていく。


「まじでうぜ…泣くか?普通。」


「…っだって…グスッ…わたし…ファーストキス…グスッなんだもん。」


「はぁ!?」


「まだ…グスッ…キスしたことない。」


そう言うと涼風くんはわたしの上からどき、立ち上がった。


「グスッ…こんなのこわいよ…。」


そう言いながらわたしも起き上がって座って目をこすりながら言った。


風がいい感じで涙をさらってくれる。