壮陛とやり直すことになった10月23日。

わたしの中は一気に輝いた。

きっと今までは暗闇だったのかもしれない。

そう考えると壮陛はわたしを照らしてくれる太陽みたい。


でも…残酷な程時間が過ぎるのが早い。

10月28日には出発。


あと…5日しかわたしは日本にいれない。



「できるだけ会おう。遊びに行こう。」

壮陛のその言葉がすごく嬉しかった。

木下さんのことが気がかりじゃないといえば嘘になる。

でも壮陛が心配するなって言うから信じる。

わたしはこれから、壮陛しか信じない。


偶然にも今日が最後のバイトだった。

店長や山野さん、そして赤星さん。

みんなに前もって買ってた御礼を渡した。


店長には鼻炎持ちだからという理由でティッシュカバー。

山野さんは手が荒れるって言ってたから出しやすいポンプ式のクリーム。

赤星さんにはこれからの季節寒くないように手袋とマフラー。

お世話になったからちょっと格が違うけどいいよね??


赤星さんに送ってもらった最後の日。

壮陛のこと、迷ったけど言わなかった。


「頑張って帰っておいで。帰ってきたらあの店でお帰り会をみんなでしよう。きつくなったらいつでも連絡していいから。店にはみんないるから。」


この言葉で赤星さんが最後までわたしを想ってくれてる気がしたから。

自意識過剰かもしれない。

でも、この優しい赤星さんにこれ以上わたしのことで負担かけたくなかったんだ。


「お世話になりました。行ってきます!!」

心の中では本当にありがとうございましたって何度も言ってた。

赤星さんがいなきゃわたし、きっといろんなことで迷ってた。

落ちてた。


出会えて本当によかった。