「あのさ…俺もこの前聞いたんだ。」

飯のときに妙に真剣な顔した修二。

こいつも真剣な顔をしたときは厄介だ。

でも俺にはどうでもよかった。

このときの俺には木下が浮気したかそのへんだと思ってた。


「菜穂ちゃん…、アメリカ行くって。」


その瞬間手が止まる自分がいた。

それと心臓が大きく跳ねた。


「へぇ…。」

平然を装った。

あいつが横に座ってるときも平然を装ってる。

今回も。

でも…ダメだったらしい。


「お前さ、いい加減素直になったら?誤解、まず解けよ。涼子もめっちゃ反省してるしそのときは手伝うっていってるからさ。」


あの女の話したのかよ、恥じーな。


「いいよ、もう。あいつ男いるんじゃねーの??」


この言葉に修二はため息をついた。


「思ってもないことを…。」

思ってもないこと?

あいつ、もしかしたらあの男と…って思ってたんだけど違うわけだ。


「もういいって。俺ら終わったんだ。」


そう言うと修二は話すのをやめた。

アメリカに行くならなおさらだ。

おれは忘れなきゃいけねーじゃねーか。


日本での遠距離でも遠いのに日本外って。

ありえねぇ。