「そっか…。それまではいっぱい遊ぼうね!!」

涼子ちゃんは無理矢理笑顔を作ったような顔をした。

目は少し潤ませて。

それにわたしも潤んだけどグッとこらえた。

わたしが決めたことだから、わたしが泣いちゃいけない。


「もちろん!!」

ハイタッチをした。



そして朝、パパに話してたこともあってバイトから帰るとパパに言われた。


「11月1日に学校に入れるらしいぞ。」

もう1ヶ月ないんだ。


バイト先にちゃんと言わなきゃ。

赤星さんに言わなきゃ。



…──壮陛には…言う立場じゃないか…。






壮陛、わたしまだあなたを思ってるみたい。

わたしね、思う。

わたしのペースに合わせてくれたんじゃないかって。

だってお子さまのわたしに壮陛が付き合ってくれるわけないもんね。

好かれてたって思ってていいよね??

愛されてたなんて言葉は使えないけど。


ごめんね、全部話も聞けなくて。

もう少し大きくなって…そして帰ってくるから!!



誕生日は壮陛は学校に来なかった。


涼子ちゃん、鈴ちゃんにプレゼントをもらい、お茶をして帰った。

家族でわたしの好きなビーフシチューを食べた。

赤星さんからメールが届いた。


嬉しかったけど、楽しかったけど…わたしが思ってるのはまだ壮陛みたい…。

連絡、待ち続けてるわたしを自分でバカだと思った。

今頃きっとミス北洋と笑い合ってるのにね。