あれから数日。

壮陛と話すことはない。

隣の席だけど隣じゃない。


それは壮陛が学校に来てないから。


「壮陛のこと、悪い奴と思わないでほしい…。」

フジくんがわたしに言った言葉。

悪い奴だなんて思ってない。

むしろ楽しい思い出を作ってくれた、人生で1番好きになった人。

お礼が言いたいくらい綺麗な思い出だから。


断ち切ろう、早く。

自分から言ったんだから。

望んだんだから。


神様、いるんだったらお願いします。

もし今壮陛が傷ついてるんだったら早く癒してあげてください。

わたしなんかどうでもいいから。



しばらくして壮陛とミス北洋が付き合うことになったと聞いた。

壮陛は前に進んだんだ。

学校には来てないけど進んでいく道を見つけたんだ。


立ち止まってるわたし、でも神様にお礼を言った。



──壮陛の傷はもう癒えたんですね、ありがとう──


って。



でもおかしいことにわたしは涙が流れた。

ハヤク

フッキラナキャ。