ロッカーから出て外に出ると先に着替えた赤星さんが待ってた。


「ずっと泣きそうな顔してたね。どうしたの?」

いきなり聞かれたことに驚いて見上げた。

その顔は優しく、心配そうな顔。


「彼氏が…話したミス北洋の人といい感じっぽくて。そして今日、元カノと…会ってて。」

笑顔で明るく言えばきっと涙は出ないと思った。

でも赤星さんが途端に心配そうな顔をしてわたしの手首を引き抱き寄せたから涙が止まらなくてまた泣いた。


「もう、やめとけよ。」


耳元で小さく言う声。


「こんな傷つけて…許せねぇ。」


力が増した。



この状況に自分でも驚いたけど人の温かさって落ち着く。

しばらくして赤星さんの胸を押し、離れた。


「ごめんなさい…迷惑かけて。わたし…頭冷やすため歩いて帰ります。」


「1人にできると思う?」


そういうとメットを手渡してきた。

優しさかもしれなけど目がこんなんじゃ帰れないのに。

断れるわけもなくわたしは受け取って後ろに乗った。



1分ほどで着く家。

到着して降りようとした。


「菜穂ちゃん、彼氏がいるけど…。」

赤星さんのその声に驚いて降りるとそこには壮陛がいた。


「な…んで??」

壮陛はこっちを見て小さな声で言った。



「ひっでー誤解…お前してる。」