「菜穂ちゃん、泣いた?」


あれから一生懸命涙をこらえ、鈴ちゃんに冷やせと言われて冷やしまくった目。

赤星さんにはバレてしまった。


「え…いやちょっと…。」

うまくごまかすことができなくて苦笑いに。

赤星さんはジッとわたしを見て

「あとからゆっくり。」

って言ってわたしのそばから離れた。


話さなきゃいけないのかな、泣かずに話せるのか不安だった。

それよりも壮陛のことがショックすぎて。

元カノとずっと連絡取ってたと思うだけで。

ムカつくって感情は不思議となかった。


わたしにはまだ早かった。

壮陛みたいなかっこいい人がわたしに夢中になるはずがなかった。

わたしがバカだった。


そう考えてたら溢れてくる涙を抑えることができなかった。


さよなら…壮陛。


ロッカーで着替えるときに携帯を見た。

涼子ちゃんと鈴ちゃんから心配するようなメール。

そして…壮陛からはなかった。

完全に終わりだと思った。