──キーンコーンカーン──

授業の終わりを告げるチャイム。

昼休みだ。


戻ろうと思っても体に力が入らずに立てない。

下の方からガヤガヤと話し声が聞こえる。

ここは一応立ち入り禁止区域だし来ないと思うけどみんな楽しそうに笑ってるのがわかる。

どうしてわたしだけ泣いてるんだろう。

笑いたい。


──パタパタパタパタ──

階段を駆ける音が聞こえる。


「いたっ！！」

その声と同時に見えたのは涼子ちゃんの姿、鈴ちゃんの姿。

何か言おうとしたけどわたしの胸に涼子ちゃんが飛び込んできた。


「何も言わなくていいから。」

そう言って小さな涼子ちゃんがわたしを抱きしめてくれる。

鈴ちゃんはわたしの横にしゃがみこんで

「心配したじゃない…。バカ。」

って。


ここにいるって１番に思ったの？？

こんなにわたしのこと考えてくれてたの？？

連絡返さなかったことに罪悪感をすごく感じた。

でも抱きしめてくれる涼子ちゃんが暖かくて涙がまた出て声が出なかった。


涼子ちゃんの胸でしばらくまた泣いてた。

壮陛があのバイト先にさえ行かなければ、こんなことにはならなかったのかな？

後の祭りだってわかってる。

でもそう考えちゃう。