それから運ばれてきた料理。

みんな旨いって食べてたけど俺には味がさっぱりしなかった。

考えすぎて麻痺してた。


大丈夫だよな?って考えてた。

でも本人にも、誰にもこんな話できねー。


帰るときに

「あとから連絡する。」

って言った。


ちゃんとあの男のこと、言おうと思って。

お前に限っては大丈夫だと思う。

でも、万が一がこわい。


それから女等をバス停まで送って俺らもバスで帰った。

フジとはバス同じだけどあの2人とは違うから。


「で、壮陛くん。不安ですか??」

手をマイクのようにして話しかけてくるフジ。

「冗談。」

本心を隠して笑って言った。

「ま、そりゃそうだ。菜穂ちゃんはお前しか見てねーしな。」

手を引っ込めながら言うフジ。

こいつの予感は大体当たる。

照れくさく、何も言わないでいたら

「でもさ、あのミス北洋はどうにかしたほうがいいかもよ。」

「分かってる。」

フジを見らずに言った。


それから携帯に中学のときのツレのマサシから電話が来てフジと遊びに行った。

マサシの部屋に入ったとき、

「壮陛、真剣な話があるんだ。」

マサシが真剣が顔をして言う。

「んだよ。」

めんどくさそうにいつものように返した。

真剣な顔をするのは珍しくない。

いつもめんどくさい厄介な話を持ってくるときだけ。

でも今日のマサシの話は厄介とかのレベルじゃなくて…。


「皐がさ、会いたいって。」


俺は固まってしまった。

なんだよ、それ…って。