そんなとき菜穂が何か運んできた。

去ると同時にその男も来る。


ほんとに爽やかな顔してやがる。

パーツパーツが整っててもう大人っぽい顔だし。


「な、なにか??」


やっべ!!見すぎた。

と思ったら全員見てたらしくみんな慌ててた。

本田に至っては普通だったけど。


「菜穂ちんがいつもお世話になってます♪」

ゴマかす青木。

「こちらこそ。菜穂ちゃんが来て楽になったし華になるんで。」


菜穂ちゃん…。

勝手に呼ばしてんじゃねーよ。

名前で呼ばせてるの、ほとんど仲いいやつだろ?

そいつ、そんな仲いいのかよ。

去って行ったあと


「あんたって単純な男よね。表情で全部わかる。」


本田がフッと笑いながら言う。

水ふっかけてやろうかと思った。


見ないようにしなきゃいけねーのに見てしまう。

めっちゃあいつら話してるし。

フジがあんなこと言うからそうにしか見えねぇ。

菜穂、絶対気付いてないだろうし。


めんどくせーことになってきた。

だからバイトさせるの嫌だったんだよ。

俺の目の届かないとこに置きたくなかったんだよ。