グイッ!!

帰ろうとしたとき、フジと俺を引っ張ってきたすげぇ力があった。


「ちょっと顔貸して♪」


そう言うのはいつも菜穂と一緒にいる青木。


「ということで壮陛ちゃん一緒に行こっ♪」


フジも青木みたいな喋り方で言う。

青木の横では俺のすっげー苦手な本田もいる。

本田は言いたいことズケズケ言うし、それが当たってるし、反論できねーんだよな。

こういうストレートな女で気の強い女が俺は苦手。

てかどこに行くんだよ…。


バスに乗ってフジと青木ははしゃいでる。

本田は本読んでる。


不思議に思ってたけど方向が菜穂の家の方向と分かったときピンときた。

ナイトカフェか、と。



──カラン──

青木が勢いよくドアをあけた。


「いらっしゃいませ~。」

という声が響く。


菜穂がビックリした表情をしながら入っていく順番に見ていって俺のときに視線を止めた。



「ちゃんと働いてるんだ。」


って思わず声をかけた。

白いシャツに黒のスカート、黒のエプロン姿の菜穂がすごく可愛く見えて。


案内した後、後ろからメニューを持ってくる男が見えた。

たぶんこいつが高3の奴だろう。


…俺とタイプは違うけど爽やか系な男だったから無性に腹が立った。