「全く…頭になかったです。別れ…壮陛と…。」

手で口を押さえながら喋るわたし。


「無理して自分を抑えることないと思う。菜穂ちゃんが無理しないようにあわせてくれる人、たくさんいるから。」


そう言うと一口紅茶をすする赤星さん。


別れる…抑える…無理しない。

なんか一気に場面が変わりすぎて。

考えてもみなかった別れという言葉、理由、意味が並べられて。

黙っているわたしに


「考えの違いって1番きついよ。」


ってダメ押しをする。



その後一緒にバイトに行って、バイトをしたけどあまり記憶がない。

壮陛のこと、赤星さんの言葉の意味を考えまくってた。

上の空だった。

…そして壮陛は飲み会。

ミス北洋と。


考えるだけで泣きそうになってきた。

言葉がほしい。

安心できる言葉が。


壮陛、わたし今不安だよ。

聞いたら言ってくれるかな??


「お前、まじうぜぇ。考えすぎ。」


って。

あの上から目線の口調でもいいよ。

今すぐ──言って欲しい。



でもその日も連絡はなかった。