「さっきからチラチラ見てみっともない。あんただって毎日してることなんだから堂々としてなさいよ。」

鈴ちゃんはいつもそう。

本を見てるかと思ってるけどいつも観察してるすごい人。


壮陛は何も言わず頭をかきながら黙った。

気まずくてわたしは少し笑ってテーブルを離れた。

気まずい、ううん嬉しい。

気にしててくれたんだって。


厨房に料理を通してわたしはウーロン茶やコーヒーの準備をした。

お客さんの入りが少なく、赤星さんも手伝ってくれる。


そして先に飲み物を運んでいいと言われてたから持って行った。

紅茶が大きいから持ちきれなく、わたしが運んだ後に赤星さんがコーヒーを持ってきてくれた。

まじまじと赤星さんの顔を4人が見てるのがわかる。

赤星さんもそれに気付いて


「な、なにか??」

って言ってた。

もうやめてよ!!って中に入りたかったけど仕事中。

できやしない。


「菜穂ちんがいつもお世話になってます♪」

まずい、と思ったのか涼子ちゃんが笑顔で言った。


「こちらこそ。菜穂ちゃんが来て楽になったし華になるんで。」


笑顔でそう言ってごゆっくり。と言ってこっちに戻ってきた。

あんなにジロジロ見たら、わたしが赤星さんのこと好きってみんなに言っててその好きな人をみんなが見に来たとか勘違いされそうじゃん!!って考えすぎ?

マイナス思考でいろんなこと考えてた。


赤星さんが戻ってきて


「近くで見たらみんなイケメンに可愛い子なんだね~!!菜穂ちゃんがあの中に入ったらすごい目立つ集団なんじゃない??」


って驚いた顔をしてた。

ここでもし誤解されてたらいけない。

そう思って


「あの奥の大人しい男が…彼氏なんです。」

赤星さんに教えた。