お冷を運ぶと


「あの人が赤星さん?」


って涼子ちゃんが聞いてきた。


「うん、そうだよ。」

答えながらお冷を置いていった。

氷がカランという音をたまにたてる。


「へぇ~イケメン!!お前冷や冷やもんだな!!」

フジくんが壮陛をつついた。

それに目を細めてフジくんを睨む壮陛。


「それ言ったら菜穂ちんだってミス北洋に冷や冷やしてるんだから!!」

涼子ちゃんが負けずに言う。

「お前のそれは聞き飽きた。ミス北洋は俺だって相手したくないね。あれは顔だけの女。」

フジくんとそう言い争ってるのを微笑んでわたしはまた席を離れた。

あまり同じとこばっかりいたらいけないと思って。


レジの近くに立ってると

「若さを感じるね、あの4人。あの静かな2人がカップルなの?」

赤星さんが聞いてきた。

鈴ちゃんと壮陛…。

すごい勢いで否定した。

「いやいや違いますよ~!!」

目を丸くして言ったと思う。

「へぇ~、大人しい同士なのかと思った。あの2人はお似合いだよね。仲良さそう。」

涼子ちゃんとフジくんを見て微笑む赤星さん。

ほんとにいい人だ。

人の幸せそうなのを見て微笑むんだから。

そんな赤星さんは恋人募集中らしい。

かっこいいのに。


「すみませ~ん!!」

涼子ちゃんが呼んだ。

わたしがイソイソと行くと4人でメニューを見ながらコーヒーや紅茶、パスタやサラダ、ケーキなどを頼んだ。


「少々お待ちください。」

そう言って立ち去ろうとしたときだった。


「菜穂、あんまり男の人と喋っちゃだめよ。涼風がさっきからソワソワしてるから。」


鈴ちゃんがそういい切ったのと同時に


「なっ!!!!!」

って壮陛が驚いた表情をして口走った。