きっと菜穂は俺がこんなに弱いだなんて思ってないだろう。

逆に強気で感情をあまり見せない自己中な男だって思ってるだろう。


そんな俺のそばにこれからもいてくれるなら


「もう、いいよ。」


って言うしかない。

これで全ておさまるならいいか、って思った。



「許して…くれるの??」


弱く聞こえてくる菜穂の声。

こっちこそ、これからも付き合っててくれんの?って聞きたいくらい。


「あぁ。」


小さく言う。

俺はホッとしてるから。

これでおさまるって。

これからもこのまま続けれるって。



「ごめんね…。ありがとう。」


この言葉を言う菜穂の姿、顔が想像できた。

そしたらむしょうに会いたくなった。


「今日、会える?」


明日からは学校が始まる。

夏休み最後になるし、会っておきたかった。

でも菜穂は



「…っゴメン…。今日は涼子ちゃんと鈴ちゃんと約束してて…。」


それならしょうがないんだ。

でも強がることでしか態度を表せない俺だから


「そっか。じゃ、また明日。」


そう言って一方的に電話を切った。

きっと嫌な気分になるだろう、菜穂も。

俺だって嫌な気分だ。


電話を切った後、深いため息をついて思いっきり後悔した。

ベッドに横になってぐったりしてしまった。