朝の10時半くらい。

目覚めて携帯を見た。

菜穂から着信が4回、メールが3件。

全部メールの内容は謝ってた。


それは別れたいからなのか…。

マイナス思考が止まらなくなってた。

でもこんな弱い部分を見せたくない。


震える手を押さえながら俺は着歴から菜穂に電話した。

勢いでしたのに手が震えてしまう。

やっぱり別れるのがこわいんだ。



コールが何回か聞こえた。

そして


「も、もしもし!?壮陛!?」


菜穂の焦った声が聞こえてきた。


落ち着け、俺。

自分に言い聞かせた。



「昨日、電話した?」


当たり前だろ。

自分にツッコミを入れながら口を開いた。

冷静を装うには言葉が出てこない。



「うん…。ごめんね。謝りたくて…。」

そう言って黙り込む菜穂。

なんに対して謝りたいのかがさっぱりわかんねぇ。


でも別れたくない。

声を聞いたらやっぱり愛しいんだ。

離したくないって思った。

だから理由を聞くのがこわい。

このままいれるならこのままでいいや…って思ったんだ。