それを見てわたしは壮陛の横に並んだ。

見上げると壮陛はわたしを見て言った。


「お前さ、浴衣買ったとか昨日言ってなかった??」


そういえば昨日、言ったっけ。

楽しみにしてて…とまで。


「ごめん…あまりに似合わなくて。」


そう言ってわたしはまた思い出して沈んだ。

わたしだって着たかったんだもん。


「……けどな。」


ボソッという壮陛の声が聞こえた。


「え?何??」


「似合うと思うけどな。でも…あんま人に見せたく…ないかも。」


そう言うと壮陛は1人で先に進んで行った。


人に見せたくないって…そういうことだよね??

これ、自意識過剰じゃないよね。

そのままとらえていいんだよね??


嬉しくて小走りで壮陛の横に並んだ。

見上げたら壮陛もこっちを見ててちょっと笑ってわたしの頭を持って自分の方によせた。


「お前ら…人前で…。」


後ろからフジくんの声。

わたしは頭を固定されてて振り向けない。

恥ずかしい!!

そう思ったとき


「俺ら付き合ってるから。」


壮陛はそう言いいつも通り歩いた。

いつも2人のとき、こんなことしないのに…。

どうしたのかな??


考えるけど答えは出るわけはなかった。