会場までは徒歩5分ほど。

にぎやかなマイクの音が聞こえてる。

通行人もすごく多い。


壮陛の横にわたしが並ぼうとすると涼子ちゃんが止めた。


「最初は近くにいて。お願いっ。」


小声でそう言って。



だから壮陛、フジくんが先頭で後ろを涼子ちゃんとわたしで歩いた。

お互い同性同士でばっか喋ってた。


会場に着いた。

神社の周りに屋台がたくさん並んでた。


色とりどりのてきや。

美味しそうなにおい。

ワクワクした。


「人…多いな…。」


フジくんがボソッと言った。

そう、かなり人がごった返してた。


「コイツはでかいから目立つけどあんたは小さいしわからなくなりそうだな。」


壮陛が言った。

もちろんコイツがわたしで、あんたは涼子ちゃんの事…。

でかいって…。



「だ、大丈夫だよ。はぐれないようにするから。」


涼子ちゃんは慌てるように言う。



「つーかさ、名前何??」


フジくんが涼子ちゃんに聞いた。

涼子ちゃんはチラッとわたしを見たあと


「青木涼子です。よろしく。」


ってニコッと笑った。


それにフジくんも


「フジって呼んでね。」


と言った。


涼子ちゃんの顔がすごく嬉しそうだった。