あっという間に家の近くに到着していつものように壮陛は帰っていこうとする。


今日くらいまだ早いしもう少し一緒にいたいのに。

わたしは門限が7時。

パパが6時半には帰るからチェックが厳しくって。

でも今日は午前中だけだったからまだ1時前。

まだ一緒にいたいのに…。


「お前、夏休み何してんの??」


いつも別れる場所で立ち止まって壮陛は口を開いた。


「え、わたし?涼子ちゃんたちと…あ…」


涼子ちゃんの協力お願いするの忘れてた。


「なんだよ、あ…って。」


「ねぇ、壮陛。夏休みにね、壮陛とフジくんと涼子ちゃんと4人とかで…遊べない??」


「またそれ系の話かよ。めんどくせぇし、やだ。」


いつものようにプイッと拒否られた。


「お願いだよ~…。壮陛にも夏休み会いたいもん、わたし。」


ついに言ってしまった。

一緒に遊びたいとは涼子ちゃんには別に言われてなくて、ただ本当はわたしが遊びたかったの。


そういうと壮陛はハァ。とため息をついてわたしを片手でギュッと抱きしめてきた。


「会わないわけねーだろ、バカ。」


心臓が止まるかと思った。

抱きしめられながらこんな嬉しい言葉言われてしまって…。


「ぞうべい~…グスッ。」


あまりにホッとして泣き出してしまうわたしを見て抱きしめてる手を離して壮陛は驚いた顔をした。


「ゲッ、なんで泣いてんだよ。バカか。」


そう言いながら頭をなでてくれた。