「いいけど、チャリじゃないと間に合わないよ?お前歩きだし。後ろ乗るか?」

間に合わない!?あ!もうこんな時間じゃん!
男の人の後ろ乗ったことないし…
でも入学式遅れるのはいやだ!

「じゃあ後ろ乗らせて?」

「いいよ。もうスピードで行くからな」

私が後ろに乗ったとたん彼はすごいスピードで自転車を走らせた。
風に乗って彼のにおいが流れてくる。

「いいにおい…」

「あ?なんか言ったか?」

うそ、声でてた?

「いや、なんでもないよ」

「そっか。」

やっぱいいにおい。私は彼のにおいが好きだ。
そういえば名前しらないなぁ…。

「ねぇ、君名前なんていうの?」

「俺は桜木裕太だよ。お前は?」

「かっこいい名前だね。私は桐山奈央だよ」

「じゃあ奈央って呼ぶから」

「私は裕太って呼ぶね」

その後私たちは「どこの中学校?」とか「なんでこの高校にしたの?」とかいろいろなはなしをした。

「ついたよ」

「ほんとだ!ありがとう」

よかった!無事ついた!
裕太がいなかったらついてなかったよ。感謝しないとね。

そこには今日入学する人たちがいっぱいいた。

「奈央、クラス見に行こうぜ」

「うん!いいよ」

二人でならんでクラスを見にいった。

「みえないよ…」

人が多すぎて見えない…。
あれ?裕太がいない。

「裕太ー!どこー?」

返事がない。違うクラス見に行ったのかな?
探しに行きたいけど私が行ったらまた迷っちゃうからやめよ。

「奈央ー!」

あれ?裕太のこえ!?
振り向いたら裕太がいた。

「俺たちB組だったよ!」

おれたち…?ってことは同じクラス?

「裕太と私、同じクラスなの?」

「よくぞ聞いてくれました!!奇跡的に俺たち同じクラスだったよ」