上げなくていいマシーンの速度を無理に上げていく。

よく笑わせてくれる男である。
まるで借金取りに追われているかのように、必死になる顔が笑えて仕方がない始末。

彼は涼を励ましてくれているのだろうか。
そう感心していると彼はバランスを崩してメガネを落としてしまった。

視力を失ったがメガネより先に体のバランスを確保すると、そのまま走り続けた。
数秒後、ズボンの右ポケットから同じ柄のメガネを取り出してかけた。

その姿に笑いを堪える涼がいた。