その週の日曜日。

いつものようにジムに通った。
同じジムで毎回トレーニングをしていると、喋ることはないが、段々と常連の顔を覚えはじめてくる。

例えば、ランニングマシーンで走っているオカッパ頭のメガネ男。
運動神経はないが毎回目に付く男だった。

彼がランニングマシーン以外のメニューをこなしている姿など、一度も見たことがない。
しばらくは安定したランニングを魅せる。
それでいて一定の時間になるとお決まりがあった。

「ここからが本番や。俺の底力みせたる」