この二十日間、涼は周りと会話をという会話をした記憶がなかった。

身を粉にすることに精一杯だったからだ。
自分自信を機械のように操作していた。

わずか一ミリでさえ己がブレてしまう事を恐れていた。
バイト先では自然と孤立していた。
人見知りな性格も原因で招いた結果だ。

本大会エントリーをきっかけに周りと話すこと、繋がりを持つことへさらに壁を厚くしていた。
それが示す状況はやはり孤独、ただそれだけだった。

涼は思っていた。
人が生きていく強さを身に付けるための要素。

それは戦慄にも動じない叫びの意志。