地下までの一歩一歩の足取りが、老人のように体を鈍らせていった。

暗い洞窟の店内へ降りていき、会計のカウンターに向かった。
カウンター前に立つと、涼は従業員に耳打ちをした。

従業員はそれを聞くと誰かを呼んだ。
少しして、覆面をした男がやってきた。
従業員が手でサインすると、覆面の男は頷いて涼を誘導し始めた。

着いて行くと、非常口用の通路に到達する。
ここまでは問題なかった。
ただ非常口に向かって歩いているだけだった。