そんな彼の元へと一人の女が現れた。
女は黒の浴衣姿。

わずか数秒間、驚きのあまり思考回路は絶たれた。

女の名はミコ。

「何でお前がここに?」

「別に」

「………。」

「デート?」

「関係ないだろ」

「ふーん」

ミコは笑みを浮かべながら見ている。

「彼女ってあの女?」

ミコが指す方へ目を預けた。
だが、そこに麻衣の姿などない。