いつの間にか、味の無い涙はなくなっていて、目の腫れだけが残っていた。


塾から出ると、冷たい夜風がふわっと吹いた。


「せーんーかーちゃーん」


振り向くと、そこには、


翔太がいた。


「翔太?」