その時、
佐々木さんの言葉が、私の思考を止めた。


「まだ、時間。大丈夫だよな?」



ビクッとした。



とっさに

「だめです!」

と言った あたし。

佐々木さんの あたしから 離れる腕…。




佐々木さんの手が離れた時、

とてつもなく、寂しかった…。


取り返しの つかない落とし物をした気がした…。


そして…。

心に ぽっかり 穴があいた…。



佐々木さんが いけないんだ。

佐々木さんが、いつもになく強引だったからー。

なぜ『大丈夫だよな?』
と言ったんだろう?
せめて、いつものように、『大丈夫?』と言ってくれていたらー。