ドキドキは 続いている。


この ドキドキは何…?


自分の心を 探ってみる。


このドキドキは
再び 腕をまわされたから。
私の解答を 求められるんではないか?
という、
焦りの ドキドキ。



では、
キスをされてから続いている、
私の 手させ 震えさせる程の、このドキドキは 何?


それこそが
゛恐怖゛ だ。
今、一番、
私の心の中をしめている、
深刻な問題だ。

佐々木さんとの事は、
ちょっとした、生活のスパイスのつもりだった。

恋してワクワクする自分。

恋して綺麗になる自分。

恋して 色付く世界。


そんなものが、新鮮で 刺激的だった。

嬉しかった。



だから私は、佐々木さんに 恋をした。

平凡で味気のなかった私の人生を、
佐々木さんは、張り合いのあるものにしてくれたんだ。



でも、もう違う。

ここから 一歩でも踏み出したら、戻れなくなるんだ。

こんな事が家族に知れたら…。

平凡な人生には 戻れなくなるかもしれない。

そんな恐怖と 背中あわせでも 佐々木さんと 付き合いたい?

もはや これは、生活のハリなどではない。

爆弾 かかえて 生きていくようなものだ。